コンセプト


1 我が国特有の決済環境を前提としたSTPの実現

機関投資家取引において、運用を行なう機関と運用財産の管理を行なう機関が別という形態は、我が国に限らず欧米等においてもよく見うけられるものですが、特定金銭信託取引において信託銀行が運用内容の確定を行なう権限・義務を負っているという点は我が国特有のものと言えます。そのため、我が国特有の決済環境を前提としたSTPの実現を目指し、本システムを開発いたしました。

2 国際標準に準拠した日本標準の策定・採用

証券市場の国際化は急速に進展しています。これまでは国内だけで通用する独自のメッセージ・フォーマットや各種コードを使ってシステムを構築するのが一般的でしたが、これからは常に海外との接続を念頭に置いたシステム構築が必要となると思われます。そのため、本システムを構築するに際してはこの点に留意し下記のようなメッセージ・フォーマット、各種コードを採用することとしました。

  1. メッセージ・フォーマット:ISO15022
    ISO15022は、2002年秋以降S.W.I.F.T.(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)ネットワークにおいて標準的に使用されることとなったいわゆる新証券メッセージをISO(International Organization for Standardization)に登録したものです。2002年秋まで、世界各国の金融機関の間で広く使用されていたISO7775の後継として、現在、世界の金融機関間の共通のメッセージ・フォーマットとして利用されています。これを採用することによって、例えばグローバル・カストディアンから日本のサブ・カストディアンに対して送信された決済指図を容易に本システムに送信することも可能となります。
    また、ISO15022は拡張性に富んだ構造をとっていることから、本システムの対象有価証券の拡大、取引形態の多様化等将来の拡張性を担保することができると考えています。
  2. 証券コード:新証券コード(ISIN(International Securities Identification Number)
    新証券コード(ISIN)は国際証券コード体系(ISO6166)に準拠して証券コード協議会によって附番されている標準コードで、国内株式は全てJP+基本コード+チェックディジットの12桁で構成されています(国内で公募により発行された債券等も同様である。)。ISINは各国の証券コード附番機関が国際証券コード体系に準拠して附番したものであるため、世界共通の唯一のコード体系と言えます。これを採用することはメッセージ・フォーマットとして前述のISO15022を採用するのと同様の効果があると考えています。
  3. 金融機関識別コード:BIC(Bank Identifier Codes)
    本システムにおいては、取引の相手方、決済の相手方等様々な関係者をコードによって識別する必要があります。BICは先のISO15022と同様S.W.I.F.T.ネットワークにおいて標準的に使用されている金融機関識別コードの体系で、ISO9362として登録されています。本システムを利用する際には、銀行、証券会社はもとより投資信託委託会社、投資顧問会社等原則的には全ての利用者にBICを取得していただくことになりますが、何らかの理由でBICが取得できない場合には統一金融機関コード、証券会社等標準コード等を補助的に用いることによりシステム上、識別することとしています。

3 売買当日照合(T+0マッチング)

本システムは現行と同じT+3決済という環境下においてスタートしましたが、将来のT+1決済の実現をにらみ売買当日に照合を終了させることを目標としています。
T+0マッチングの実現はまた、投資信託委託業務の利便性の向上にも寄与するものであると考えています。すなわちオープンエンド型の投資信託は基準価額(追加・解約の基礎となる受益権の一口当たりの時価)を毎日算定・公表しなければなりませんが、その価額の算定は早くそして公正であることが求められます。本システムにおいては、売買約定当日に投資信託委託会社の作成する運用指図データと証券会社が作成する売買報告データの照合をリアルタイムで行い照合一致したデータを受託銀行である信託銀行に送信します。これにより、信託銀行側においても基準価額の算定をスムーズかつ正確に行うことができ、投資信託委託会社の算定した基準価額との照合がより早く正確に行なわれるようになります。

4 一般振替DVPとの連動

 2004年5月の一般振替DVP制度の実施に伴い、本システムは口座振替システムと連動致しました。本システムにおいて照合一致した決済指図データのうち、口座振替システムの対象商品である株式、CB等について、DVP決済もしくは一般振替による決済を行うために、口座振替システムへの連動を指図されたデータは、口座振替システムに自動的に送信され、別途追加の指図入力を行なうことなしに決済を完了させられるようになりました。一般振替DVPでの決済を実現するためには、本システムへの参加が必須となります。

5 電子化・ペーパーレス化

情報の電子化・ペーパーレス化はSTPの実現のための大前提です。これに関連しては、2001年10月1日に施行されました改正内閣府令により、顧客の承諾を条件として本システムを通じた取引報告書の電子交付が可能となりました。


6 新たな枠組みによる平均単価

2003年7月7日に改正「証券会社に関する内閣府令」が公布・施行され、同日日本証券業協から会員通知「平均単価を『単価』とする取引報告等に関する『証券会社に関する内閣府令』等の一部改正等について」(日証協(会)15第33号)が発出され、顧客の承諾等内閣府令に定める要件を満たした場合には、証券会社は証券取引法 第41条第1項に定める取引報告書の交付を要しないこととなり、かわって平均単価によって作成した「取引合算通知」を行うことが認められました。これに対応し、平均単価によって作成した「取引合算通知」を本システムにて電子交付することが可能となりました。

7 国債清算機関との連動

2005年5月より、(株)日本国債清算機関において、国債清算業務が開始され、本システムは国債清算機関と連動致しました。本システムにおいて、照合一致した国債の約定データのうち、国債清算機関での債務引受対象として指図されたデータを自動的に国債清算機関に連携し、国債清算機関において債務引受対象として認定されたネッティングの結果等の各種データを国債清算機関から本システムが受信し、国債清算機関参加者に配信することとなりました。

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